人畜共通感染症
(じんちくきょうつうかんせんしょう)
京葉獣医師会
 人畜共通感染症
人間は、人間を他の動物と区別し、特別な存在として様々なことがらを考え、後の世に伝えてきましたが、同じ動物として、共通のことがらも多くあります。その中の1つが、単に人間だけ、動物だけでは解決できない病気の問題です。このことから、人間と動物が同じ病原体(病気の原因となる生物)でおこる病気について、人間と動物を区別せずに共通の病気をなくしていこうと言う考えが生まれ、人畜共通感染症ということばが使われるようになりました。
人畜共通感染症=人間と動物が同じ病原体(病気の原因となる生物)でおこる病気
 必ず読んでください
学校で飼育(飼っている)しているウサギ、ニワトリ、セキセイインコから病気がうつり、みなさんが病気になる可能性は、きわめて低い(ほとんど考えられない)と多くのお医者さん、獣医さんが述べています(言っています)。
また、たとえ感染しても、すぐにお医者さんに見てもらえば、心配なく直ると述べています(言っています)。

東京都では、平成11年度〜平成12年度に、小学校で飼育されている動物、187頭のフン中から動物由来感染症(動物ゆらいかんせんしょう・動物から人間にうつる病気)の原因となる細菌などの検査をしました。

動物の種類: ウサギ103頭、ハムスター3頭、モルモット1頭、ニワトリ53羽、インコ2羽など。

調べた細菌など: クラミジア(オウム病の所を見てください)、
           サルモネラ(サルモネラ腸炎の所を見てください)などの9種類を調べました。

結果: 調査したすべての動物で、調べた細菌などは、いませんでした。

このことから、学校で飼育(飼っている)動物では、ここに書いた病気を、あまり心配する必要がなさそうです。しかし病気の知識と、なるべくうつらないようにする方法を知っておくことは、大切なことです。

東京医科歯科大学大学院国際環境寄生虫病学教授でお医者さんの藤田紘一郎(寄生虫)先生は、「ペットは心のお医者さんとの言葉のように、人にとって欠くべからざる存在なので、我々は病気を知った上で動物の健康管理に注意して、飼うべきである。

そうすればむやみに怖(こわ)がることはないだろう。それを、『知るワクチン』と呼んでアッピールしている。」とおっしゃっています。

また、ある先生は、「『不安がらずに、しかし、油断なく』対応することが大切だ」とおっしゃっています。

ここに書いてある動物舎へ入る時の服装、手の消毒などの注意は、私が考えている理想的な方法です。

ふだんの服で動物舎へ入り、そうじと動物のせわをしても、よいと思います。でも、マスクは、つけたほうが、よいと考えています。

動物舎から出たら、マスクを取る前に、ついているほこり(粉状のフンなど)をよくはたき落し、しっかりせっけんで手を洗いましょう。

調査結果は、下のホームページかまたは、この文字をクリックすれば、見られます。
東京都健康局地域保健部環境衛生課動物管理係
〒163-8001 東京都新宿区西新宿2−8−1
   電話   03−5320−4412
動物由来感染症調査結果より

下のホームページでも見ることができます。
生活衛生と営業ホームページ→「獣医衛生の扉」→
→動物行政のページ→動物由来感染症調査結果について
http://www.kenkou.metro.tokyo.jp/eisei/index.html
 はじめに
ウサギから人へ感染する病気にはいくつかありますが、最低限の注意をすれば、心配する必要は、ありません。動物舎に入る時には、専用の長靴、作業着、帽子、マスクをつけることが理想です(特に清掃時)。動物をさわったあとには、他の物にさわるまえに、せっけん(消毒もした方がなお良い)を使って、よく手指を洗いましょう(もちろん、手を洗う前にポケットからハンカチを取り出してはいけません)。

また、動物の口の中、フンの中には、細菌(ばいきん)がいっぱいいます。動物舎内でケガをした、かまれた、ひっかかれた時には、すぐに保健室の先生にケガをした状況を正しく伝え、先生の指導にしたがって、必ず流水とせっけんでよく傷を洗い、消毒と止血などをしましょう(素早い適切な処置が大切です)。

痛みがひどい、出血が止まらない場合、学校内では、先生の指導にしたがい、帰宅してからの場合は、両親に事情を話し病院へ行きましょう。その際、お医者さんにケガをした状況(例、うさぎにかまれてできた傷)を正しく伝えてください
注意
人畜共通感染症ではありませんが、動物に接するとアレルギーをおこす人がいます。もし、動物舎に近づいた、動物の近くにいった、さわったあとひふがかゆくなる、赤くなる等の異常を感じた場合は、保健室の先生に相談しましょう
ウサギ、ニワトリから人へ感染する病気を3つ紹介します(人畜共通感染症)。
なお、学校飼育動物として考えられることがらを中心に書いてあります。

 サルモネラ腸炎

病原体
サルモネラ菌という細菌
保菌(菌を持っている)動物
ニワトリ、カメ、ウサギなど
感染経路
動物のフンの中にはサルモネラ菌がいます。特に卵および卵液がフンにより、直接または、環境(動物舎内)から間接的に汚染され、この汚染卵を生のまま、または不完全な加熱状態で食べることにより感染します。

あるいは、みなさんの手、服に菌がつき、家庭科の調理実習で使用する食材につき、その食材を料理して食べることにより感染することも考えられます
【上の説明でわかりにくい場合用】
動物のフンの中にはサルモネラ菌がいます。特に卵のカラの部分としろみがフンにより、母トリの体から出てくる前または直後もしくは、動物舎内でフンがつくことにより、菌がいる卵になります。

この菌がいる卵を生のまま、またはよく火を通さないで食べることによりうつります。また、みなさんの手、洋服に菌がつき、家庭科の調理実習の料理の材料にする食べ物ににつき、その食べ物を料理して食べることにより感染することも考えられます
人の場合の潜伏期間(症状がでるまでの時間)
原因食材を摂取後、約8時間から48時間後に症状(体の異常)が現れます。
【上の説明でわかりにくい場合用】
原因となる食べ物を食べてから、約8時間から48時間後に体の異常(次に書いてある異常)がでてきます
症状(体に見られる異常の状態)
人の場合
腹痛、下痢(げり)、発熱(体温が高くなる)38℃から40℃、嘔吐(はく)、
頭痛(頭が痛い)。
上の説明でわかりにくい場合用】
お腹がいたくなる、お腹をこわす、熱が出でる(38℃から40℃)、はく、頭がいたくなる。
動物の場合
通常、感染していても無症状、もし発症した場合は、発熱、下痢。
【上の説明でわかりにくい場合用】
普通の場合、菌が体に入っても
病気にならない(体の異常が見られない)。もし病気になると熱が出たり、お腹をこわします。
予防と注意
動物舎に入った時、動物をさわったあとには、他の物にさわらないようにして、流水を使用し、せっけんで手指をよく洗い、消毒をする。
もし、学校のニワトリの卵を食べる場合は、卵の表面を流水でよく洗い、水分をよくふき取り、充分に加熱調理(よく火を通して)して食べましょう。

また、お店で売っている卵を調理する時にも同じことが言えるのですが、卵をさわった手指で他の食材(料理の材料にする食べ物)をさわる前には、流水を使用し、せっけんで手指をよく洗いましょう。

卵の殻(から)は、速やかにゴミ箱に捨ててください(かけらを他の食材、調理器具がふれる所に長時間放置しないこと)。
その他
ほかにも、多くの動物がサルモネラ菌を持っています。

 皮膚糸状菌症
病原体
皮膚糸状菌(真菌)というカビ。(ひふしじょう菌)
保菌(菌を持っている)動物
ウサギ、ハムスター、マウス、ラット、モルモットなど。
感染経路
保菌動物にさわる。特に、患部(病気になっている所)にふれ、皮膚糸状菌が皮膚に定着し発症する。
【上の説明でわかりにくい場合用】
菌をもっている動物にさわる。特に病気になってる所にふれ、ひふしじょう菌がひふにしっかりついてしまうとひふの病気になります。
症状
人の場合
頭部に円形または、楕円形の脱毛、皮膚に円形または、楕円形の紅斑(赤みがました丸いはんてん)を伴う皮膚病、かゆみ、痛み。
【上の説明でわかりにくい場合用】
頭の毛が、10円だまのように丸くまたは、ほぼまるくぬける。ひふが、10円だまのように丸くまたは、ほぼ丸く赤くなる。かゆくなったり、いたくなったりする。
動物の場合
体に円形または、楕円形の脱毛を伴う皮膚病、かゆがる。
【上の説明でわかりにくい場合用】
体に毛が10円だまのように丸くまたは、ほぼ丸くぬけている部分が見られる。かゆがる。
予防と注意
たとえ、人間に感染(うっても)比較的簡単なおる病気です。
皮ふに異常があるかないかは、症状(症状の所の動物の場合)を知っていれば、わかります。あやしいとおもったら、なるべく早く、罹患動物(病気の動物)を獣医さんに見てもらう。罹患(病気)している疑い(うたがい)のある動物にふれた時は、流水を使用し、せっけんで手指を良く洗い、消毒をする。

もし、自分が感染した疑い(うたがい)のある皮膚病になった場合は、お医者さんに罹患(病気)している疑い(うたがい)のある動物または、罹患動物(病気の動物)に接触(さわった)したことをかならず伝えてください。
その他
ほかにも、多くの動物が皮膚糸状菌を持っています。

 オウム病

病原体
オウム病クラミジアという微生物(びせいぶつ)
オウム病クラミジアを持っている動物 
インコ(セキセイインコ)類、オウム類、ニワトリ、セキセイインコ、ブンチョウ、ジュウシマツ、ハトなど
感染経路
主にインコ(セキセイインコ)類、オウム類から感染します。他の鳥類、たとえば、ニワトリとセキセイインコを同じ動物舎もしくは、近接(近くで)した所で飼育している場合、セキセイインコからニワトリに感染し、ニワトリも人への感染源となります。

通常、感染している鳥の羽毛や粉末状にまき散らされたフンなどを吸い込むことにより感染します。また、口移しで鳥に食べ物を与えても感染することがあります。
【上の説明でわかりにくい場合用】
ほとんどの場合、インコ(セキセイインコ)類、オウム類からうつります。他の鳥、たとえば、ニワトリとセキセイインコを同じ動物舎もしくは、近くで飼っている場合、セキセイインコからニワトリにうつった時には、ニワトリからも、うつることがあります。

通常、病気の原因となる生物をもっている鳥の羽や粉のように細かくなってまき散らされたフンなどを吸い込むことによりうつります。また、人の口から鳥に食べ物を与えてもうつることがあります
人の場合の潜伏期間(症状がでるまでの時間)
感染後、1週間から3週間(平均7〜10日)後に症状(体の異常)が現れます。
【上の説明でわかりにくい場合用】
うつってから、1週間からに3週間(平均7〜10日)後に体の異常(次に書いてある異常)がでてきます
症状(体に見られる異常の状態)
人の場合
激しい頭痛(頭が痛い)、筋肉痛(筋肉が痛い)、倦怠感(だるい)、食欲不振(食欲がなくなる)
進行すると、インフルエンザのような症状(主に冬に感染するカゼ)となり肺炎をおこします。
【上の説明でわかりにくい場合用】
頭がとてもいたくなる、筋肉がいたい、だるい、食よくがなくなる、
おもくなると、冬にひくカゼのような状態になり、病気がどんどんひどくなります。
トリの場合
無症状の場合が多い。発症すると、不活発となり、食欲もへり、眼、口、総排泄口(そうはいせつこう、肛門のような、便の出てくる所)が汚れる。ヒナでは、短時間に死に至る。
【上の説明でわかりにくい場合用】
普通の場合、オウム病クラミジアがうつてもトリは、病気にならない(体の異常が見られない)。もし病気になると熱が出たり、お腹をこわします。
予防と注意
オウム病クラミジアが感染していてもなおるように、異常が見られないトリ(特にインコ)にも薬を飲ませておくのが、1番良い方法です。(獣医さんに相談しましょう)
羽毛や粉末状(粉のように細かくなった状態)にまき散らされたフンなどを吸い込まないように、掃除などで動物舎に入る時また、教室で飼っている鳥のせわをする時には、最低マスク、できれば専用の長靴(長ぐつ)、作業着(専用の白衣など)、帽子(ぼうし)をつけておこなう。

また、ふだんから動物舎または、飼育ケージを羽毛(トリの羽)や便(フン)などがまき散らされないように、良く掃除(そうじ)しておく。作業後に手指を洗うのは、当然です。

作業した後、服羽毛や粉末状(粉のように細かくなった状態)にまき散らされたフンがついているかもしれませんので、マスクを外してから服(専用の白衣など)、帽子(ぼうし)は、はたいてはいけません。そのまま洗濯(せんたく)するか、マスクを外す前に、はたいてください。教室内の場合は、マスクをつけたまま外に出て、はたいてください
その他
ほかにも、多くの動物がオウム病クラミジアを持っています。魚にもうつります。